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柴田望洋
新装版
CプログラマのためのC++入門

書名の通り C の知識を前提とした C++ の入門書。しかし、C++ の入門書としてはなかなかのできだと思う。具体的にいえば、サンプルプログラムが極めて実践的であり分かりやすいのと、初めに C++ と C の微妙な違いに触れる気配りの点で優れていると思ったからだ。トピックも C++ の言語としての機能はほぼ網羅されているので(とはいえ例外処理などに関しては言及されていない)安心できる。ちなみに著者には類書として『プログラミング講義 C++』もあるが、個人的にいうと既に C で一通りのプログラムを書くことができるのであれば、本書を入門書とした方が確実だし効率的だと思う。

抄録

3-4

C++ は C と Simula67 をベースにした言語で、設計は AT&T ベル研究所の Bjarne Stroustrup が行った。当初「クラス付きの C」と呼ばれていたそれは、Rick Mascitti によって C++ と名付けられると(1983)、その後は以下のような軌跡をたどっている。

内容
1983大学への頒布
1985商業ベースの Release 1.0
1986『The C++ Programming Language (通称 言語 C++) 初版』
1989Release 2.0 (多重継承などをサポート)
1989(ANSI C)
1990『The Annotated C++ Reference Manual (通称 ARM)』
1991『The C++ Programming Language 第 2 版』
1991Release 3.0 (テンプレートなど追加)
1997『The C++ Programming Language 第 3 版』

10

C の /* */ 形式のコメントは PL/I から受け継いだもので、C++ の // 形式のコメントは BCPL (C の前身である言語)から採用されたもの。

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