渥美英紀
BtoBウェブマーケティングの新しい教科書
営業力を飛躍させる戦略と実践
書誌
author | 渥美英紀 |
publisher | 翔泳社 |
year | 2017 |
price | 1980+tax |
isbn | 978-4-7981-4796-3 |
履歴
editor | 唯野 |
2020.6.17 | 読了 |
2020.6.21 | 公開 |
2020.7.7 | 修正 |
BtoBウェブ関係の本を何冊か読んだが、その中でもこの本が白眉だった。本文でも触れられているようにウェブマーケティングと聞くとウェブ改造なりSEO対策という言葉だけで満足してしまいがちである。しかし、あくまでも現状の営業が抱える課題を整理し、既存コンテンツの棚卸をした上で、戦略的かつ現実的な目標を設定し、他部署も巻き込んだ実施、継続のための計測、長期的な視点など、この種の改善活動におけるライフサイクル全体を包括的に説明しているのは大変説得力がある。
例えばp82の以下の一節だけでも、上記の趣旨は伝わると思う。
新しい計画を立てる前に、まず知ること、整理することが大切です。実際の計画を立てるときは、どのプロセス部分に改善策を打つのか、明確にすることで有意義な議論を誘発できます。-/-
また、実際の作業に使うであろうワークシートやポイントも提示されており、きちんと章末・巻末にまとめがある点でも優れている。いうまでもなくウェブマーケティングに限らず、課題対応は経営方針ともリンクしていなければならないし、誤った現状分析に基づく仮説を立てても意味はない。もちろん、そういう誤りも込みにして軌道修正を継続的に図っていくのが一連の『リーンスタートアップ』となるが、本書はどちらかというと仮説もより精度の高いものを目指す感じになっている。内容が包括的なので少なくともかなり作業の漏れを防げるのが良いと思った。
抄録
14
ウェブマーケティングのプロジェクトを始めるにあたって最初にしなければいけないことは、自社の営業の課題を知ることだと実感しました。自社の営業の仕組みや課題を熟知せずに、ウェブサイトだけをブラッシュアップするのは危険です。-/-
15
ウェブサイトだけが成功したとしても売上につながるわけではない。営業組織だけが強ければよいわけでもない。「ウェブ」と「営業」がしっかりと結び付いて、ひとつながりの「力」になること。つまり、「ウェブ営業力」を高めることが、BtoBにおけるウェブマーケティングの本質であるとの結論に至りました。
17
-/-しかし、(ウェブサイトの:唯野注)リニューアルは、主にウェブサイトに来てからの問い合わせ率を高めるための対策です。-/-