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クリス・スミス
成約のコード
デジタルツールと営業現場を連動する最強ノウハウ

ガイド

SNS広告で見込客をリードし、相手に合わせたコンバージョンコードとスクリプトを通じて成約を目指す

極めて説明の具体的なのがアメリカ的です

書誌

authorクリス・スミス
editor神田昌典(監訳)、齋藤慎子(訳)
publisher実業之日本社
year2018
price1850+tax
isbn978-4-408-33797-5

目次

1本文
2抄録

履歴

editor唯野
2020.5.2読了
2020.5.22公開

B2BをWeb・メール・SNS(特にFacebook)のデジタル広告と連動させて、いかに成約にまでつなげていくかについて解説した本。内容的にはすごく今の時代に合致しており無視できないものとなっている。また、成約に至る段階もコンバージョンコード、スクリプトとして具体化されており非常にわかりやすい。もちろん、冒頭で書かれているように、アメリカ式の営業手法が日本でそのまま通用しない部分もあると思うが、大筋では問題はないだろう。

少し前に読んだ 『リーンブランディング』 にも通じることとして、デジタル広告の大きな利点はその効果を出資者がプラットフォームから簡単に確認できる点が挙げられる。その意味で著者がコールドコール(なんのつながりもない相手にセールス電話をかけること)は1980年代の遺物だと断言するのには、全く同意する(cf.236)。効果が確認(計測)できるということは、効果を最適化するために手を入れるべきだということであり、そこからの流入こそが営業のスタート地点となることを意味しているからだ。

もちろん、電話なりでの見込客との直接のやりとりが重要なのはいうまでもないが、それもやみくもに行うわけではない。コンバージョンコード、スクリプトというテンプレートをベースとしつつ、それまでにWebから得られた情報を元に相手に合わせたカスタマイズを行う。またクロージングに至る段階を明確化し、何をどのタイミングでいうべきかまで言及しているのには説得力がある。私はどちらかというとSNSには否定的な感情が先行していたが、メリットに合わせた使い方はもはや避けられないのだなと改めて感じた。

# ちなみに著者より監訳者の名前が大きく書かれていたりするのは、
# 有名人らしいがさすがにどうかと思う。
# もっとも、それもこの本のコードに忠実なだけかもしれないが...

抄録

4-5

私が「怖い」と感じた理由は――その絶好調の住宅会社の現場は、隣のライバル会社と同じように、来場者が少なく、閑散としていたからだ。

以前だったら、ごった返すほどの人々を見学会に集めるのが、業績好調の証だった。しかしデジタル時代は、異なる。現場に人はいなくても、スマホの裏で、静かに成約していく。

ライバル会社は、知らぬが仏。自社の売上が悪いのは、「猛暑のせい」と、致命的な勘違いをしたまま、取り返しのつかなくまるまで動けない。

このように今、デジタルマーケティングを導入できた会社と、それに遅れてしまった会社とでは、表面的には見えないけれど――あまりにも大きな差がついてしまっている。だから、怖い話なのだ。

6

このように著者は、デジタル偏重主義に手厳しい。成約につながるのは、あくまでも「顧客とのやりとり」、すなわち営業と顧客とのコミュニケーションだと考え、その大切な人間同士のやりとりをテクノロジーの活用により避けようとするのは、「労多くして益なし」と断言している。

6-7