ホーム > 考えた

マネジメントとは何か

ガイド

目次

1本文

履歴

editor唯野
2014.01.19公開

「○○マネジメント」という言葉の氾濫する昨今である。何にでもマネジメントが存在し、それがとても大切なことのようにいわれている。特に管理職においては、それこそが仕事であるかのように扱われている。(まあ manage する人 = manager なのだといえば、そのままではあるが。)では、そもそも翻ってみて、そういう広範囲にわたるマネジメントからひとつを選べと言われれば、あなたは何を選ぶだろうか。言い換えれば、あなたにとってのマネジメントの本質は何だと思いますか。

私の場合の答えは昔から決まっており、それは「リスク管理」である。マネジメントされる対象が人であろうと(周りの人はもちろんのこと自分自身も含む)、物であろうと(物理的なものから抽象的なお金や恋愛であろうと)、私はリスク管理こそがマネジメントの核になるものだと考えている。なぜなら、リスクのないものはマネジメントする必要がない。物事を円滑に進める上で問題となりそうなこと、問題になったこと、それは要するにリスクなのであって、それが潜在的なものであれば事前に手を打ち、顕在化したものであれば適切な対処と再発防止の手立てを取る、それが私の考えるマネジメントということになる。

だから、マネジメントを通俗的に「管理」としてだけ考えてしまうと、ともするとマネジメントの目的が見失われる。マネジメント自体が目的になってしまって自家撞着に陥る。何をリスクと捉え、それが何のためなのか = 何のリスクに対するものなのか、と考えてみた方が、因果関係もよく見えるのではないかと思う。

しかしながら「それではリスクが低減されさえすればよいのか」といえば、それほど単純な話ではない。リスクを顕在化させないだけであれば、事なかれ主義でよいということになってしまう。ところが、ここが逆説的なのだがリスクの低減指向だけでは、それ自身が別のリスクになる。よくネットの起業家たちのいう「何もしないことが最大のリスクになる」というのが、これに当たる。

実はリスクというものは極小化できたとしても完全なゼロになることはまずない。だとすると低減すべきリスクは許容範囲内に収めつつ、現況自体をリスクとさせないための、将来に対する変化のアクションを取ることもリスク管理には含まれなくてはならない。この両者が常に必要なのだということである。

# Webもリニューアルしてから、ほとんど読書ノートしか更新していないので
# たまにはエラそーなことを書いてみました。