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野口悠紀雄
ChatGPT「超」勉強法
生成AIが勉強に革命を起こす

ガイド

対話AIを用いた勉強法だけでなく教育全般への影響についても述べている

書誌

author野口悠紀雄
publisherプレジデント社
year2024
price1700+tax
isbn978-4-8334-4060-8

目次

1本文
2抄録

履歴

editor唯野
2025.4.27読了
2025.5.8公開

私は著者の『「超」勉強法』を読んだことがないので、これに関しては本書で触れている概要程度の知識となるが、それを含めてChatGPT(対話AI)がもたらす個人の勉強方法及び学校教育そのものへの影響を解説した本となっている。

概ね納得できる内容ではあるが、対話AIの世界は文字通り日進月歩なので、この本の記述も1年経たずして陳腐化する箇所が出てくるように思う。それだけインパクトのある変化だともいえるが、それだけに全てを鵜呑みにするのも早計だと感じる。例えば、ChatGPTは数学に弱いという記述があるが、これも数学に特化したAIが登場してきている。また、教育全般への影響が多大なのは確かにその通りだが、総論に近い記述なので、ではそれを早急にどのように実際の教育現場に適合させていくのか━━といったところまでは踏み込んでおらず、とにかく出版を急いだ感を強く受けた。

ただ確実にいえるのは、勉強においてもAIを利用できるかどうかで格差が生まれる社会が到来したということであり、著者のいうようにAIは貧者に家庭教師の代わりを提供できる一方、それを使うリテラシの差が更なる格差を生む契機にもなると思う。

私は学校において社会規範や基礎知識を教えるのは当然としても、それに加えて後は必要に応じて自学できるリテラシを与えることが、今の時代では同じくらい重要だと思う。なぜなら、今の社会は社会人になってからも勉強が必要な時代であり、それこそがAIなどに仕事を奪われないための自衛手段にもつながると考えるからである。

抄録

1

では、ChatGPT時代にはどのような勉強法が必要になるのか ? 本書の目的は、この問いに答えを与えることだ。

2

ChatGPTがきわめて有能なのは、言葉の勉強、とくに英語など外国語の勉強だ。-/-

一方で、慎重な利用が必要とされる分野もある。その代表が、算数・数学だ。-/-

3-4

本書は、『超「超」勉強法』の考えを基本としつつ、ChatGPTが勉強法をどのように変えるか(あるいは、変えないか)を、中心的な課題として考察している。