長谷川裕行
XML入門
プログラミング基礎の基礎
ガイド
書誌
author | 長谷川裕行 |
publisher | ソフトバンク |
year | 『C MAGAZINE 2001.2』p.14-30 |
履歴
editor | 唯野 |
2001.4.10 | 読了 |
2001.4.15 | 公開 |
2002.11.22 | 修正 |
2020.2.25 | 文字化け修正 |
いずれは避けて通れないであろう XML の入門記事。むろん、避けては通れなさそうだから最低限の予備知識だけ仕入れておこうというのが記事を読んだ大元の理由である。しかし、この長さの記事だと既に知っている事柄の方が多く、物足りない感じがした。
加えて、まとめの部分で著者が述べているように XML も DOM もまだまだ仕様として完全に固まっているわけではない。特に XML の場合、それが企業間ビジネスの根幹につながりかねないだけに、それをめぐる企業の政治的な絡みもあって進展しないであろうことは容易に想像できる。しかし、利用する側から見ると、それだけに単なる流行りだけで XML を使うのは控えたいものだし、ちゃんと標準化された技術というかたちで使えるようになって欲しいものだと思う。
# HTML でだってブラウザ戦争のような側面があったのだから
抄録
概論
XML は eXtensible Markup Language の略で、「拡張可能なマークアップ言語」という意味になる。HTML も XML も SGML (Standard Generalized Markup Launguage) を土台にしている。SGML は文書中に他の文書を埋め込むハイパーリンクによる相互参照を実現した言語で 1986 に ISO で標準化され、これが HTML へと発展した。XML は HTML が表示/印刷という限定された結果に影響を持っていたのに対し、文書の構造そのものを表現可能なところに特徴がある。
この特徴を生かすということは情報の可搬性(情報を元のまま移動する)と可塑性(新しい情報を生み出す)の広げることを意味するが、電子データにそのような性質を持たせるためにはデータの記述形式が柔軟でなければならない。なぜなら処理を一定のルールで行うためには、情報そのものが一定のルールで書式化されている必要があるためである。この点において HTML では固定的だったタグが、XML ではユーザによって自由に定義できるため、可塑性が大きく高められている。これは XML にとってみると Web が表現のための一手段に過ぎないというレベルでの可能性を提供する。