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フィンローダ
使いやすいユーザインタフェイスを求めて
アプリケーションと Web ページのデザイン

ガイド

書誌

authorフィンローダ
publisherソフトバンク
year『C Magazine 2001.6』p.12-31

目次

1本文
2抄録

履歴

editor唯野
2001.5.21読了
2001.5.23公開
2001.6.6修正

ちょうど少し前から UI というものに関心を持って本を検索したりもしたのだが、意外に正面からそれだけを扱ったものというのは少なくて、あっても Web デザインのためのものだったりと、アプリケーション寄りのものはほとんど見当たらなかったためありがたい記事だった。

とはいえ、私自身の Web を作成したりした経験からいうと、結局のところ個人レベルにおいては「Simple is the Best」に勝るデザインはないように思う。妙に手の込んだものを作っても結局はバランスの悪くなることの方が多く(単なるセンスのなさも関係しそうだが :-))、それならば必要なものを絞って実装した方が後々のメンテナンス的にも都合がよいと思うからだ。この記事の中でも触れていることだが、確かに私も含めて UI の専門知識なしに UI を作るというケースは、Web のような表現手段が身近になればなるほど増えてくる。となると、それを見越した「自己表現」というか「メディアとの接し方」がますます問われるし必要とされるように思う。

抄録

ユーザとシステムの間での橋渡しとなるのがユーザ・インタフェース(UI)であるが、GUI プログラムの作成が容易となることに伴って逆に UI の重要性はむしろ高くなりつつある。UI を理解するためには「ユーザ」「ユーザの操作するオブジェクト(コンピュータなど)」「インタフェイスそのもの」の理解が必要となる。但し、広く UI と言う場合には、アプリケーションだけを指すのではなく、それを取り巻く環境そのもの(机や照明など)も含まれてくる。その上で UI を考える際のポイントを挙げてみると以下のものがある。

  • チャンク(chunk) : 情報の塊、人間が同時に扱える情報は 7 つくらい
  • UI においては「慣れ」が使い勝手に大きく影響する(慣れに気付く重要性
  • 感覚というものは変化を検出する相対的なもの
  • 動いているものは目立つ、しかしこれは動きがあればよいということではない
  • ユーザを待たせないということ
  • ソフトウェアにおいては使いやすさが最優先課題といってもよい
  • 自分の使いにくいものには何か問題がある -> 自分がユーザになってみる
  • (逆が真というわけではないので多くの人に聞くのがよい)
  • 楽をできるようになっていること、そして適度な変化があるということ
  • フールプルーフ : あらかじめ致命的な結果の招くような操作を禁じること