笹野好太
趣味の酒つくり
ドブロクをつくろう実際編
ガイド
ミードからワイン、ビール、ドブロク、蒸留酒まで幅広く扱っている
書誌
author | 笹野好太 |
publisher | 農文協 |
year | 1982 |
price | 1330 |
isbn | 4-540-81063-4 |
履歴
editor | 唯野 |
2024.5.16 | 読了 |
2024.5.20 | 公開 |
書名の通り最古の酒といわれるミード(蜂蜜酒)から始まり、ワイン、ビール、ドブロク、蒸留酒まで酒を自家醸造するための方法を解説しながら、戦前から改正されないまま残っている酒税法の問題点を指摘した本。
今日ではインターネットがあるのでこの本が出た頃に比べればハードルは低いと思うが、それでもビールなどはキットの使用が前提となっており、あくまでも本書の主眼はドブロクという感じになっている。説明はイラストもあるので分かりやすい。先進国の中でも自家醸造を禁止しているのは日本くらいらしいので、さっさと撤廃してほしいものである。自分たちに都合のよい法律は「海外でも」を理由にするのに、そうでないものには聞く耳を持たないというのも変な話である。
抄録
18
それでは神秘のベールをはぎとられたあとの「酒になるプロセス」とは何か。それが私達の観察してきた発酵である。「発酵」すなわち、英語でフォーメンテーションと呼ばれる言葉は元来ラテン語の「湧き立つ(フェルメント)」から派生したもので、最初から酒と深いきずなで結ばれている。イーストを加えた砂糖液がわかんに泡立って湧く現象が発酵である。このことをしっかり認識していただくところから、酒つくりはスタートする。
20
蜂蜜の巣から取りだしたばかりの蜂蜜には天然の酵母が棲みついている。糖分が高いので発酵が起こらないだけのことである。水で薄めさえすればたちまち、ふつふつと泡だち、発酵を始め、一夜にしてミードとなる。それほど簡単に酒になる。ミードが古い古い歴史をもつ酒としてワインとならんで、すでに神話伝説の時代から登場するのも蜂蜜を薄めるだけで容易に酒となるからである。
21-23
ミードの作り方
用意するもの
一升びんの空びん、蜂蜜、ドライイースト、ミネラルウォーター
メジャーカップ(二〇〇cc~一〇〇〇cc)
はかり(一〇〇〇グラム程度のもの)