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椎名誠
インドでわしも考えた

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書誌

author椎名誠
publisher集英社文庫
year1988
price400
isbn8-749293-1

目次

1本文
2抄録

履歴

editor唯野
2001.7.4読了
2001.7.4公開
2001.7.4修正
2020.2.25文字化け修正

書名だけ見ると インドへの堀田義衛的アプローチ なのね、という印象を受ける本なのだが、実際に読んで見ると全く違っていて、完全に椎名誠的旅行記としてまとまっている。(写真も盛りだくさんだ。)部分的にシーナ節の強すぎる箇所があったりして、その辺は冗長な気もしたが、そうやって考えてみると書名の妙も著者のスタイルというか、お得意の開き直り戦術の一環なのかもしれない。

解説で妹尾河童が書いているように、哲学的なインドというような余計な先入観を持たない体当たりアプローチは成功といえる。でも、個人的にはインドが哲学的かどうかにかかわらず、「考えた」ことの中身をもっと披露して欲しかった。

抄録

81

さらに驚いたのはインドの女性たちは海や川で泳ぐのもサリーのままである、ということだった。それからまたカースト下層の女は炎天下でよく土方仕事をしているのだけれど、それもサリーを着たまま、頭の上にザルをのせ、レンガや土砂を運んだりしているのである。-/-

115

いやしかし実際にはそうではない。牛はヒンドゥのものだからやたらにケトばしたり殺してステーキにして食ったりすることができないわけで犬やネコよりもかえって面倒なのだ。だから見ているとインド人はこういう「ぐうたら達観牛」を粗大ゴミのようなかんじで眺めているようなところがある。-/-

147

「ヒンドゥ教の死んだ人九十九・九パーセント記念になるもの残しません。しかし『写真』は記念になるものです。だから撮ってはいけないのです。それはもうヒンドゥのきまりなのです。-/-」