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西方里見
最高の断熱・エコハウスをつくる方法
令和の大改訂版

ガイド

内容はよくまとまっているが誤字や用語の不統一が目立つ

書誌

author西方里見
publisherエクスナレッジ
year2019
price1800+tax
isbn978-4-7678-2567-0

目次

1本文
2抄録

履歴

editor唯野
2022.3.8読了
2022.3.19公開

2009年の元版と2014年の最新版、更にここで取り上げる2019年の「令和の大改訂」版と進化しているもので、実質的な第3版といってよい本である。著者は新住協の鎌田氏などと並んで断熱関係では著名な設計士である。

内容的にも断熱・気密・換気などの最新のトレンドをほぼ網羅しており、本書を読めば一通りの理解をすることが可能になっている。特にほとんどのトピックが見開き2ページに図表とともに納まっているのは分かりやすい。

しかしながら、Amazonのレビューにもあるように誤字、用語の不統一などが割と多い。口述筆記したものをそのままテキストに起こしたからなのか、その辺は不明であるが、実質的な校訂作業を行わずに刊行したといわれても仕方のないレベルになっている。

正直なところ内容は悪くないと思えるだけに、出版社、ひいては著者のリテラシーに疑問を感じざるを得ないのも事実だった。ある意味でもったいない本だと思う。

抄録

10

1980年(昭和55)年に、定められた「住宅の省エネルギー基準」(旧省エネ基準:唯野注)は、その後、1992年(平成4年、新省エネ基準:唯野注)と、1999年(平成11年、次世代省エネ基準:唯野注)に改正され、改正ごとに基準が強化されてきました。そして、2013年(平成25年)10月にさらに改正・施行され、2016年(平成28年)に一部見直しがなされた「平成28年省エネルギー基準」となっています。

また、平成25年基準から換気の熱損失が計算がいtなったのは残念でした。-/-ただし、住宅の性能評価に消費一次エネルギーを入れたのは評価できます。

結果的に2020年の次世代省エネ基準義務化も見送られているので、欧米どころか中韓との格差も開く一方といえるのではないだろうか。

14

-/-平成28年省エネ基準では、これまで年間暖冷房負荷、熱損失係数(Q値)、夏季日射取得係数(μ(ミュー)値)などで評価していた外皮の断熱性能は、外皮平均熱貫流率(UA値)と冷房期の平均日射熱取得量(η(イータ)AC値)で評価します。これまでのQ値やμ値は床面積あたりの数値ですが、UA値とηAC値は外皮面積あたりの数値ですので、床面積の大小による差や建物形状が複雑か単純かによる影響が小さくなります。

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