倉島保美
理系のための英語ライティング上達法
情報を正しく効果的に伝える技術
ガイド
書誌
author | 倉島保美 |
publisher | ブルーバックス |
year | 2000 |
price | 900+tax |
isbn | 4-06-257311-3 |
履歴
editor | 唯野 |
?.8.12 | 読了 |
2019.7.24 | 公開 |
書名通りの本であるが、それほど特別なことは書かれていない。ある意味、日本語で書いた文章にも通じる――常に「分かりやすさ」を意識した文章を書け――ということをいっている。そのため、具体的な英語表現に言及するのは後半であり、前半は前述したように日本語でも同じことがいえる概論的な内容となっている。
ただ、著者の指摘するように日本語に比べると英語の方が特に論文においては、形式もはっきりしていて論理立っているのは事実であり、そういうことを全く意識するのとしないのとでは大いに受け手の印象は変わると思われる。そういう意味では、ライティングのとっかかりとしては、よくまとまっている本だと思った。
抄録
3 cf.47
しかし、英語でのコミュニケーション技術は、一夜にして向上られるのです。そのためには、英語ではなく英語でのコミュニケーションを勉強しなくてはなりません。つまり、文章構成、分野パグラフ間のつながり、適切な口調など、どうすれば情報を効果的に伝達できるかを勉強しなければならないのです。
5 cf.51
コミュニケーション技術は、経験ではなく理論に基づいていますので、誰でも容易に理解でき習得できます。けっして、特別難しいものではありません。ネイティブしか知りえない単語や言い回しでもありません。
13
しかし、意味さえ変わらないなら、文法的にミスであろうが、言い回しが少し変であろうが、実用上なんら問題はありません。読み手は英語のインストラクターではないのですから、みなさんの冠詞の使い方や前置詞の選択に文句をつけることはないのです。コミュニケーションに弊害がなければ、文法ミスや多少の言い回しのぎこちなさを気にすることはありません。
このことは、外国人が日本語でコミュニケーションをとろうとしている状況を考えれば理解できます。誰も彼らの日本語の「てにをは」の使い方に文句を言ったりしません。主語に合わない動詞を使っても気にしないでしょう。気にするのは、彼らがどんな情報を伝えようとしているかのはずです。