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宮脇檀住宅設計塾
目を養い、手を練れ

ガイド

建築に関わる心構えとして要所を衝いており良書

書誌

author宮脇檀住宅設計塾
publisher彰国社
year2003
price1905+tax
isbn4-395-00643-4

目次

1本文
2抄録

履歴

editor唯野
2023.5.31読了
2023.8.8公開

著者が日大で住宅設計の講座を持ったときの内容をまとめたものだが、建築の心構え的なところが良く説明されており良書だと思った。

例えば「あかるい家庭の第一歩、暗い夜をつくること」というのあたりも言いえて妙であり、こういったセンスが何より優れていると思う。そのため逆に言うと突っ込んだ建築の話はほとんど出てこないが、逆に要所への見通しがしやすく、それがかえってよいと思った。

抄録

3

つまり、いわゆる建築家にありがちな自意識過剰の衒学趣味や深刻趣味はまるでなく、その作品も文章も、だれが見ても、だれが読んでも気さくで分かりやすかったのである。

しかし、その多面的な活動の中で、やはり最も力を注いだのは、「住宅」の設計であったと思う。宮脇氏は住宅設計という、雑務も気苦労も多く、考えようによれば、やっかいで割りの悪い仕事を、自身の生涯のテーマに位置づけて、丸ごと、そして心から愛していたのである。

4

そして、宮脇檀氏の生まれつきの性癖であるその「教えたがり屋」の虫の気の済むまで、じっくり本腰を入れて取り組むことのできる地位と機会が巡って来た。

日本大学生産工学部に「居住空間デザインコース」という名で開設された住宅設計を重点的に教える特設コースがそれであり、宮脇氏はその主任教授に任命されたのである。

大学側の絶対の信頼と理解があり、特設コースは宮脇檀氏にその教育方針も運営もすべて「おまかせ」という、宮脇氏にとっては、それまでの教師経験の集大成となる、またとない教育の現場となったのである。

宮脇氏は少人数の女子学生だけを対象としたこの特設コースを宮脇檀の「住宅設計塾」と考えており、自ら塾長を名乗った。そして、「住宅設計塾」は講師の人選もまた宮脇流でユニークだった。-/-

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