戸田智弘
働く理由
99の名言に学ぶシゴト論。
ガイド
書誌
author | 戸田智弘 |
year | 2007 |
price | 1440+tax |
isbn | 978-4-88759-565-1 |
履歴
editor | 唯野 |
2017.8.20 | 読了 |
2017.12.25 | 公開 |
たまにはこういう本も読むべきかということで読んでみた本。やはり仕事というものが人生において大きなウェイトを持つ以上、それがその人にとってどういう意味を持っているかも同様に大きな意味を持つ。特に現代のように上昇志向が正しいとは限らず、大企業が生き残るとも限らない時代では、なおさらである。それだけに、従来のような精神論的であったり上昇志向的であるだけのような処方箋では通用しなくなっているのも事実である。
本書では仕事をあくまでも本人が好きになれること、それに付随することも含めて苦にならないことが、その人にとっての適性であるとし、それに対して能動的に打ち込めることが結果だけではない過程も含めた適職、もっといえば生き方ではないかと説いているが、私も同感である。副題が「名言に学ぶ」となっており、もちろん名言を個別に読むことも可能ではあるが、これはどちらかといえば本書の論旨を補う位置づけになっていると思う。
割とよくまとまっているので、若い人にもおすすめできる本だと思った。
抄録
3-4
人生は応用問題だ。「自分固有の応用問題を解く→実行する」の繰り返しだ。この問題は、一人ひとりみんな違っている。なぜならば、与えられた条件がみんな違っているからである。
そしてこの問題を解くのは、貴方しかいない。だれもあなたの代わりにその問題を解いてはくれない。自分で考えて自分で選ぶからこそ、あなたは自分の人生を生きたことになる。-/-
19
人生は長いようで短い。「…人生は何事をも為さぬには余りに長いが。何事かを為すには余りに短い…」。これは中島敦『山月記』(新潮文庫ほか)に出てくる一節だ。
23 cf.20/82
自分が好きなこと、それしかやらない。そう決めるのは自分である。そう決めてちっとも差し支えない。
ただ現実には、好きなことをするために、ほかのいろいろなことをしなくてはならない。それも好きになればいい。それ以外に、好きなことなどじつはありはしない。好きなことは、ただ頭のなかにあるだけのものではないからである。(中略)
本当に好きなら苦労はいとわない。苦労が苦労ではないからである。苦労したくないなら、結局それほど「好きではない」のである。――養老孟司