大友健右
不動産屋は笑顔のウラで何を考えているのか ?
ガイド
不動産業界の不透明性を担当者が得るリベートなどから解説
書誌
author | 大友健右 |
publisher | 幻冬舎 |
year | 2012 |
price | 1400+tax |
isbn | 978-4-344-99869-8 |
履歴
editor | 唯野 |
2022.2.1 | 読了 |
2022.2.13 | 公開 |
不動産業界特有の暗黙の慣行を解説した本。但し、後半1/3くらいは自社サイトなどの宣伝なので読まなくてもよいと思う。
本書では顧客と業者の間の情報格差を最大の問題として捉え、ネット社会がそれを覆す可能性について言及しているが、要点を言えば担当者が得る本来の手数料とは別のリベート(担ボー)の不可視性を問題視している。
主旨ははっきりしており、上述した問題を解決するための会社を立ち上げるなど行動はすばらしいと思う。しかしながら、言いたいことはわかるのだが、全体的にいわせてもらうと内容は少々薄い気がする。確かに元業界人だからこそ書ける内容ではあるが、もっと踏み込んでよかったのではないかという気がした。
抄録
6
中古車市場には「相場」があります。例えば、2年落ちで走行2万キロの、とあるA車の相場が100万円であったとします。
なかには、プロが見て200万円で売ってもいいような程度のいい車もあります。
ただし、相場が100万円なので200万円で市場に売り出しても売れません。
なぜなら、売り手は知っていても、消費者にはその「程度の差がわからないから」です。
結果、150万円で売りに出されたとします。
その逆に、程度が悪くて1万円の価値もないといった、タダで売らなくてはならないような同じ年式の同じ走行距離のB車(車種はA車と一緒)があったとします。
この場合は逆に、相場が100万円であるがゆえに50万円で売りに出されれば、すぐに売れてしまいます。
7
そこに売る側、買う側の情報の非対称性の壁があります。
26
ヌキ(仲介業者を抜いて鞍替えすること:唯野注)という行為は、このように一般の人にはちょっと違和感を覚える取引です。ところが、その取引を行った相手に怒鳴り込むことに違和感を覚えない人が集まっているのが不動産業界なのです。