貝原浩・新屋楽山・笹野好太郎
つくる・呑む・まわる
諸国ドブロク宝典
ガイド
ヒトはサケをつくるサルである
書誌
author | 貝原浩・新屋楽山・笹野好太郎 |
publisher | 農文協 |
year | 2020 |
price | 2000+tax |
isbn | 978-4-540-19216-6 |
履歴
editor | 唯野 |
2024.4.10 | 読了 |
2024.4.12 | 公開 |
2024.5.08 | 修正 |
過去に刊行された同名の本と『世界手づくり酒宝典』を合本にして、農文協80周年に合わせて復刻された本。同名の本は知っていたが、復刻されたので読んでみた。部分的に他書で読んだことのある部分もあったが、これを読むと世界中のどこでも「酒」というものが、その土地の果物・穀物などを使い作られてきたことがよくわかる。「ヒトはサケをつくるサルである」というのは、けだし名言だと思う。
抄録
66-68
イーストを使わずに酒のもとをつくる方法はないものかとお考えの方もおありでしょう。じつは、「市販の酒カスから本格的酒精酵母をとる方法」があるのです。
この方法だと、作り酒屋が使う酵母が手軽に培養でき、保存もできるのです。
<h5>早ければ一〇日、ふつう二〇日でもとはできあがる</h5>
もととは酵母菌の培養液のことです。市販の酒カスにはたくさんの酒精酵母が含まれておりますので、それを培養してもとにしようというわけであります。
【必要な材料・器具】
①水(汲み水) 二四〇cc
②こうじ 一〇〇グラム
③蒸し米 一〇〇グラム
④酒カス 五〇グラム
⑤水(汲み水) 五〇cc
⑥乳酸(七五%のもの) 二cc 薬局で少量売ってもらう
⑦フラスコ(一リットル) 一~二本 医療器具店で売られている
⑧脱脂綿 少々材料のうち、蒸し米とこうじは原料、つまりお米の重さですから、実際に使うときの重さは、蒸し米一三〇グラム、こうじ一二〇グラムていどになります。酒カスは、造り酒屋のものがよいでしょう。なければ板カスでもけっこうです。冷蔵庫の中で保存しておきます。
さて、材料がそろいましたらもとつくりに入りましょう。
フラスコをよく洗い、その中に①から⑥までの材料を順番に入れ、そのたびごとによく振ります。⑤の水五〇ccはあらかじめ酒カスに加えて溶かしておくためのものです。