リヒテンベルク
リヒテンベルク先生の控え帖
ガイド
書誌
author | リヒテンベルク |
editor | 池内紀(編訳) |
publisher | 平凡社ライブラリー |
year | 1996 |
price | 780 |
isbn | 582-76156-9 |
履歴
editor | 唯野 |
2002.8.14 | 読了 |
2002.8.20 | 公開 |
2003.9.6 | 修正 |
2020.2.25 | 文字化け修正 |
著者は 18C ドイツを代表する物理学者で、ドイツで初めて避雷針を使ったり、ゲーテも『色彩論』では教えを乞うなどした人とのこと。しかしながら後世において、物理学者としてではなく、本書である警句集の著者として有名になるとは、これも歴史の皮肉であろうか。それはともかく、本書は死後に残された 15 冊のノートのメモ類(但し全てが現存しているわけではない)が元で、ここから更に訳者が部分を抽出したものになっている。読めばすぐ分かるが、確かになかなかアフォリズムの効いた言葉が並んでおり、ニーチェらが好んだというのも分かる感じがする。例によって、この手の本では気に入った言葉を抜き出した。
抄録
25
ささいなことを重大視する人間の性向が、しばしば大きなことを実現した。
27
周知のとおり、ルターはいった。
「酒と女と歌を愛さぬ者は、生涯の痴れ者」
つづいてつけ加えるのを忘れていた。
「女と歌と酒瓶の友であろうと、だからといって利口とはかぎらない」
とびきりの猿といえども仲間を絵に描くことはできない。それができるのは人間のみである。その種のことを得がたい能力と考えるのもまた人間だけである。
29
私の健康は水車小屋の主人と水の関係に似ている。週五日、粉を轢くためには、少なくともあいだの二日は水を貯めなくてはならない。