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小山昇平
毒きのこ・絶品きのこ狂騒記
山の中の食欲・物欲・独占欲バトル

ガイド

きのこ採りあるあるをまとめた本

書誌

author小山昇平
publisher講談社
year1999
price1500+tax
isbn4-06-209840-7

目次

1本文
2抄録

履歴

editor唯野
2025.1.12読了
2024.1.18公開

まさしく「きのこ採りあるある」をまとめた感じのエッセイ集である。どうしても、きのこ本というと判別のための図鑑などの方を優先して買ってしまうので、考えてみれば他にもあるのだろうけど、この種の本は始めて読んだ気がする。

もっとも実際にきのこを採る人から見るとそれほど目新しいことは多くない。それでもヤマドリタケは著者たちが見つけたとか、そういう辺りはきのこの世界の奥深さが垣間見れてよかった。その意味ではきのこのことを知らない人の方が、楽しく読めるのではなかろうか。

抄録

14

どの世界でもそうだが、きのこ採りにも「天狗」が多い。きのこのことならなんでも知っているという自信家だ。こういった人は同じ名人でも「迷人」のほうだろう。こうした生半可な知識の過信には、思わぬ落とし穴が待っているものだ。

17

このように分類が遅れるのは、分類する専門の学者がほんのひと握りしかいないのが原因である。分類学者が育たないのは、キノコの分類では日本は西欧のように飯が食えないからだ。

18

はじめてきのこに挑戦する人は、ゆめゆめ生かじりの人から、きのこの知識を教わらないことだ。事実この類で中毒することがとても多い。

ほんとうに鳴れたベテランは、自分の知っている、安全で、しかもおいしいきのこしか採ってこない。だがこの域に達するにはなかなか難しく、好みにあわないきのこを採らずにそのまま林に置いてこられるようになるまでには、かなりの年数がいる。ここまで来ないときのこ中毒から一本立ちすることは出来ない。図鑑の知識もだが、自分でもきのこ中毒を何回も経験するなど、フィールドで体験するきのこの知識もないと、中毒はなくならない。