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GlobalSat BT-338

ガイド

履歴

editor唯野
2005.11.14公開
2006.4.11修正

概要

GlobalSat BT-338 は GPS チップセットとして Sirf Star III を搭載し、PDA/PC とは Bluetooth で通信を行うタイプの GPS である。私は他の GPS を使用したことがないので比較はできないが、新世代チップセットの搭載による受信感度のよさが売りのようだ。ここでは BT-338 のあれこれについてまとめてみた。なお、当方の PC 環境は Thinkpad R50p + Windows XP SP2 である。

セットアップ

外観

BT-338さすがというか非常に小さい。その割にバッテリが大きく、このおかげでカタログスペックでの 15 時間という長時間駆動を実現している。使用時には電源を入れるだけでよく、受信する Bluetooth の機器がなければ一定時間で電源は OFF になるため便利である。

ちなみに BT-338 は最近ファームウェアが V3.1.1 に上がり、WAAS (GPS の精度補正機能)への対応やバグフィックスがされている。GlobalSat への送付でアップグレードもしてくれるようであるが、今なら V3.1.1 対応版を買った方が早いだろう。

PC での設定

一方、PC 側での BT-338 は Bluetooth 機器を通した COM ポートとして認識される。一番最初に接続したとき、PIN コードとして「0000」などと入力し、以降は接続が自動で有効となるようにしておけばよい。

その上で、GPS を使用するソフトウェア側の事情で測地系をデフォルトの WGS84 から Tokyo 系などへ切り替えたい場合は、(機器が COM ポートとして認識されているので) TeraTerm などの端末ソフトウェアから該当 COM ポートへ接続後、必要なコマンドを打ち込めばよい。具体的には以下の通りである。

まず、私の環境では BT-338 は COM6 として認識されている。これは BT-338 に電源が入り Bluetooth も有効状態のとき、タスクトレイの Bluetooth アイコンを右クリックし My Bluetooth Place を開いたら、BT-GPS-3110C4 BT GPS COM Port というアイコンのプロパティを見ることで確認できる。もしくは BT-338 の CD-ROM に添付されている GPS Informaion をインストールして起動し、「Scan Com Port」ボタンを押して待っていれば PC 上の全 COM ポートを勝手に調べてくれる。このとき GPS とつながる COM ポートであれば「GPS ...」と表示されるはずである。)

プロパティ

Scan Com Port

シーケンス

次に TeraTerm はデフォルトでは起動時に COM4 までしか選択できないので、TeraTerm の設定ファイル(標準では C:\Program Files\TTERMPRO\TERATERM.INI)を開き、以下の数字を使いたい数字で書き換え保存する。

; Max serial port number
MaxComPort=6  // 4 から必要なポート番号の数に変更

これで TeraTerm を起動すると COM4 以上が選択できるようになるので、該当 COM ポートを選べば、(GPS が電源 ON で Bluetooth も有効ならば)衛星が見つかっていようといまいと GPS から送られてくる情報が流れ出すはずである。

(ここで補足しておくと、ひとつの COM ポートは同時にひとつのアプリケーションからしか使用できないので、他のソフトウェアが該当 COM ポートを開いているのであれば閉じなければならない。例えば、TeraTerm の使用中に GPS Information は設定が正しかろうと使用できない。)

接続したらメニューの [Setup]-[Terminal] で New-Line を CR から CR+LF に変更する。そして、以下のコマンドをコピーしたら、メニューの [Edit]-[Paste<CR>] で貼り付ければよい。(流れる画面にお構いなしで手で打ってもよいが、この方が楽だろう。)

Default(WGS84)$PSRF106,0*3C
WGS84$PSRF106,21*0F
Tokyo-Mean$PSRF106,178*32
Tokyo-Japan$PSRF106,179*33
Tokyo-Korea$PSRF106,180*35
Tokyo-Okinawa$PSRF106,181*34

とはいえ、PC 用の著名な地図ソフトでいうと、プロアトラス、スーパーマップルは WGS84、Tokyo 系の双方に対応しているようであり、Tokyo 系に変更が必要なのはゼンリンだけのようである。というわけで、後は該当 COM ポートと測地系さえ合っていれば、GPS ソフトウェアも問題なく動くはずである。

参考文献