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吉田弘一郎
TURBO C++/BORLAND C++による
オブジェクト指向狂詩曲(ラプソディー)

ガイド

OOP本ですが、さすがに古いか...

書誌

author吉田弘一郎
publisher技術評論社
year1993
price1,900
isbn87408-484-2

履歴

editor唯野
1999.7読了
1999.9.6公開
1999.10.30修正

オブジェクト指向の入門書。おもしろいことはおもしろいのだが、ネタに古過ぎるところがあるため、私のような若輩者には分からない箇所がいくつもあった。著者は C/C++ が嫌いと公言してはばからないものの、そういう前提のもとで C++ を用いた OOP 本というスタンスも変わっているというか、変な感じがする。個人的には『憂鬱なプログラマのためのオブジェクト指向開発講座』の方がためになったが、C++ の文法だけでいきなり OOP というわけにはいかないのも事実なので、そういう本へつなげていくための糸口として考えるならば、これでもよいのかもしれない。

抄録(メモ)

オブジェクト指向言語
Smalltalk, Object Pascal, Objective C, CLOS, Eiffel, Simula

言語が道具でライブラリが材料

言語で用が足りる範囲に思考も限定される傾向がある

プログラム開発環境とプログラムが別物であった時代は終わりつつある
アプリケーションの開発環境と使用環境の共通部分が増えた
Mac のプログラムは Mac な開発環境を要求する

Smalltalk は象牙の塔のものだったが、
そこから Mac のインタフェースとしてのヒントを得て
世間一般のものとしたのは Steve Jobs だった。

ライブラリがコンテクストを規定する
ライブラリの呼び出し形式がプログラムの文脈までを規定してしまう
ライブラリは、それがコンテクストを規定してしまったときに限界がある

手続き型としてコンテクストが規定されればされるほど
呼び出し形式だけにプログラマはとらわれてしまう

Pascal の生みの親である N.Wirth はいった
アルゴリズム + データ構造 = プログラミング

ライブラリのライブラリたるゆえんのひとつは、それがブラックボックスであること
中身よりもどういう機能を提供しているか
ライブラリがライブラリへの全ての理解を要求したのではよいライブラリではない

使わせてやるプログラムの多さと使うだけのユーザの多さ