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松尾和也
ホントは安いエコハウス

ガイド

エアコンを積極的に使用するエコ住宅の本

書誌

author松尾和也
editor日経ホームビルダー(編)
publisher日経BP社
year2017
price2200+tax
isbn978-4-8222-3838-4

目次

1本文
2抄録

履歴

editor唯野
2022.2.18読了
2022.3.11公開
2022.4.2修正

初期投資が少し高くなってもエコ住宅にした方が住宅を使用する長い年月で考えると結果的にはローコストになること、またそれを実現するための高気密・高断熱住宅、冷暖房装置としてのエアコンやエコキュートの積極的な活用を取り上げた本。

これを端的にまとめるとp17にある通りとなる。

金銭的に余裕がなくても家を建てたい人はたくさんいます。私は、高級キッチンなどの「ぜいたく品」を我慢しても、以下に示す省エネ性能に関する2項目が満たせないほど予算が厳しいのであれば、そもそも戸建て住宅は建てるべきではないと考えます。

① 1999年基準(次世代省エネ基準)における天井・壁・床の断熱性能 + 実質U値1.7以下のサッシ
② C値が最低でも2以下、理想的には1以下

住宅産業の最近10~20年において何が最も変わってきたかというのにはいろいろな見方があると思うものの、個人的にはやはり高気密・高断熱の普及が含まれてくると思う。しかしながら、日本の基準が欧米などに比べると遅れているのは周知の事実なので、本書のような視点の本はもっとあってよいのではないかと思った。

抄録

9

建築物のCO2排出量が増えている理由は、建築実務者がつくっている肝心の「箱」そのものの性能が低い点にあります。すなわち住宅の屋根、外壁、窓といった外皮の断熱性能が低く、日射を冬に取り込んで夏に遮蔽するという省エネの基本ができていないのです。

12

暖房負荷は主に断熱性、気密性、日射取得量の3要素で決まります。建物自体の温かさに対する素の性能を明らかにする値であり、暖房器具や太陽光発電の性能は関係ありません。

15

住宅で言えば、断熱はそこそこにとどめて暖房などの設備で快適性をクリアするという考え方です。あたかも我が国の制度では、こんな無駄が許されているのに等しいのです。このように本質から完全に外れた「なんちゃって省エネ住宅」が至る所に存在しています。