升田幸三
歩を金にする法
ガイド
書誌
author | 升田幸三 |
publisher | 小学館文庫 |
year | 2002 |
price | 495+tax |
isbn | 4-09-403036-0 |
履歴
editor | 唯野 |
2008.09.17 | 読了 |
2011.07.04 | 公開 |
2020.2.25 | 文字化け修正 |
将棋の世界では有名な人の本。こうやって読んでみると割と得心するところが多い。「将棋も人生も変化があるからおもしろい。変化のないものに妙味はない。」(p60)など、言い得て妙であると思う。一芸に秀でるとやはり定見が得られると同時に、その言葉にも説得力が生まれるということであろうか。
抄録
10
ひのきの細びきナワは、まっすぐにのびていると、普通のものと同じ強さを持っているが、ちょっとねじれると切れやすくなるのが特徴。つまりウが水中にもぐりこんだ際、そこにどんな障害物があるかもしれぬ。もしそれにナワをまきつけても、ひのきナワなら数回バタバタやればナワはブッツリきれて、ウは自分の力で無事に水の上に帰ることができ、これがウで魚をとる心の要ですと、そのウ匠は声を強めた。
11/12
歩は数が多いから軽んぜられやすいが、数が多いだけに、歩で勝負がきまるときがいちばん多い。
会社や商店経営のハシバシにも、最高首脳の個性が出ていなければならんと思う。それでなければ意味がない。これは相当の力を持たねばできぬことでもある。
歩の使い方の上手下手で、その人の力がわかる。僕らはそこだけを見る。歩を立派に使いこなす人が、すぐれた実力者であり、高段者である。
15-16
殺してはいけない。殺さずに生かして使わないといけない。将棋の駒では、長所を伸ばすということが眼目だ。長所を生かしてやることによって、短所が補われるのだ。駒はみんなおのおの性格がある。