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なだいなだ
権威と権力
-いうことをきかせる原理・きく原理-

ガイド

書誌

authorなだいなだ
publisher岩波新書
year1974
price?
isbnIn-888

目次

1本文
2抄録

履歴

editor唯野
1997-98読了
1999.9.30公開
2001.1.21修正
2012.2.5修正
2020.2.25文字化け修正

対話形式で進められる「権威と権力の内側」を読み解いた有名な本。非常に内容は濃いのだが、一方では極めてとっつきやすい内容なので中高生にも(こそ)おすすめであり、そして読めば読んだで大きな影響を受けるのではないか――と思う 1 冊である。本書では特に議論を平易なところから始めつつも、常に読者に対して問いを発するようなかたちで進んでいく辺りがすばらしい。マインドコントロールというような言葉が一般的ではなかった時代にも、ちゃんとこういう本はあったわけで、つくづくすごいことだと思わずにはいられない。

ちなみに、私自身の考える権威をめぐる問題の本質とは、次のようにいうことができる。それは権威は本人だけでは作られないといういうことだ。言い換えるならば、それは必ず権威付けをする周囲の力があって始めてできるものだということである。

それはともかくとしても、そんな本であるから、この読書ノートだって別にうのみにするために読む必要はない。自分自身でも納得できるかどうか、学校の教師と生徒の関係に置き換えてみて自分が双方の立場だったらどう思うか、それが他のどんな場面であてはまるのか/あてはまらないのか、そして自分だったらどうするのか――それを考えながらの読み方の方が得るところは多いように思う。もちろん、実際の本文の方が、この読書ノートよりもはるかに読みやすい。私は何かと分かりにくい言葉ばかりを使ってしまうところがあるからである。要は、それが著者と私との筆力の差ということだ。

抄録

19

(父、親、先生、学校、法)「権威」が失われた、そして「らしさ」がなくなった。それが社会のまとまりを失わせた ?

27

権威を得るにふさわしくない人が、そういう立場になるのに問題があるのか ?

36

権力は組織内の人間に対して働く。権威はその外側にも働く。