中村秀樹・志村満・降籏達生
建設業コスト管理の極意
利益アップの近道はコスト削減にあり
ガイド
主に元請向けに原価低減のための流れなどを一通り説明している
書誌
author | 中村秀樹・志村満・降籏達生 |
publisher | 日韓建設通信新聞社 |
year | 2012 |
price | 1600+tax |
isbn | 978-4-902611-31-1 |
履歴
editor | 唯野 |
2023.7.27 | 読了 |
2023.11.21 | 公開 |
ちょっといろいろと忙しくて全く更新できない時間ができてしまったのは情けない限りである。それはそれとして、本書は主に建築の元請向けに原価低減のための流れなどを一通り説明した本で、良くまとまっておりあまり類書もないので、その意味で良書だと思う。とはいえ、それほど特別なことが書かれているわけでもなく、目新しいところがあるかといえばそういうわけでもない。やはりそういう意味では「当たり前のことをきちんと続ける」というのが正道なのだろうと思った。
抄録
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原価とは、そのものをつくるためにかかる費用をいいます。外注費、材料費、労務費、現場経費からなります。売上げから原価を差し引いたものを粗利益といい、企業の利益の源泉です。-/-
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工事原価のうち、外注費、材料費は、売上高の多寡により変動するために、変動費といいます。また、販売費、一般管理費と従業員給与は売上高の多寡によって大きく左右されないので、固定費といいます。
つまり、売上高にかかわらずに、かかる固定費以上の付加価値を稼ぎ出さなければ利益を出すことはできません。
したがって、あくまで付加価値率(利益率)は目安であるため、経営に必要な付加価値額(利益額)を常に念頭において、企業運営をしなければなりません。
14
1年間の売上げから工事原価と販売費、一般管理費を差し引いたものを営業利益といい、ここから営業外損益、特別損益を加減し、さらに税金を差し引いたものを当期純利益といいます。当期純利益は、今後の新規投資や不況期の備えとして使用されます。-/-
売上高(完成工事高) - 工事原価 = 売上総利益(粗利益・工事総利益)
売上総利益 - 販売費・一般管理費 = 営業利益
営業利益 - 営業外損益 = 経常利益
経常利益 - 税金 = 当期純利益
売上高 : お客から受け取ったお金