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森巣博
ろくでなしのバラッド
人間は掛けをする動物である

ガイド

書誌

author森巣博
publisher小学館文庫
year2000
price552+tax
isbn4-09-404641-0

目次

1本文
2抄録

履歴

editor唯野
?.11.25読了
2012.1.30公開
2012.1.31修正
2020.2.25文字化け修正

森巣博の最初の単行本だが十分におもしろい。氏の本をずっと読んでいる身としては、重複する記述感がなきしにもあらずなのだが、それでも圧倒的におもしろい。読むべし、読むべし。

抄録

16

これだから、競馬は厭なのだ。

昼間から妾の家で酒を飲み、猫の頭を撫でてるオッさんが調教した畜生に、赤の他人が乗っかって、勝負を競う。

責任の所在が、明確でないのだ。

26

この深淵で気が遠くなるような疑問に、『エリア物語』を書いたチャールズ・ラムは、深い思案の末、としたあとで、以下のように答えている。

「人間は賭けをする動物である」

と。

32

だからといって、カシノで博奕を打つ人たちが、レース系に張らない、という意味ではない。大レースには、ちょっと張る。小さなレースでも内部情報が確実だとさえ思えば、大きく張る。

ただし、トート(日本の公営ギャンブル方式)では絶対に張らない。ブッキー(ブックメーカー。胴を取る人の意味)相手に張る。