鎌田慧
ドキュメント
家族
ガイド
書誌
author | 鎌田慧 |
publisher | ちくま文庫 |
year | 1994 |
price | 720 |
isbn | 480-02864-1 |
履歴
editor | 唯野 |
1999.10.2x | 読了 |
1999.11.14 | 公開 |
2002.11.24 | 修正 |
鎌田慧が追う 80 年代の家族・家庭の姿のドキュメント。私は著者の最も一貫した視点というものを「資本主義的発想のそれ以外の場面への広がり」と考えているので、本書でのテーマは、それの「家庭への広がり」に対する考察ということができるように思う。即ち、過労死、単身赴任、豊かな主婦、帰国子女、老人介護、子供とファミコンなどである。家庭・家族の姿も確実に変化をしつつある現在、その変化を「悪」としてだけ捉えても意味はない。しかしながら、そこでの変化をまずは冷徹に見つめられないことには、家族問題というものを正面から捉えることも難しいように思う。
抄録
8/13/21
管理職がいなくても日常業務には支障が出ないという現実。一方での、そのための競争の激化。そして、大企業は大企業でしか食っていけない人間を作り出してきた。
17/26
日本企業の家族主義は、日露戦争後の大暴動の余波に負うところが大きい。しかしながら、修身雇用制と年功序列を捨てながら、企業内組合は捨てない昨今の日本企業。
36/49
単身赴任がもたらす夫と妻のディスコミュニケーションという問題。しかしながら、夫の側はそれが表面化して初めてそれに気付く。新幹線が可能にした「金帰月来」というつながり。