五十嵐大介
魔女 全2冊
書誌
author | 五十嵐大介 |
publisher | 小学館 |
year | 2004 (1巻) |
price | 660+tax |
isbn | 978-4-09-188461-X |
履歴
editor | 唯野 |
? | 読了 |
2020.5.24 | 公開 |
2020.5.28 | 修正 |
現代に生きる魔女の姿を描いた漫画。非常に独特の読後感があって他の漫画ではなかなか味わえない印象が強いので紹介しておこうと思う。基本は短篇集である。
彼女たちは現代でもそれを知る者からは必ずしも歓迎されているわけではなく、忌み嫌われている部分もあるが、その一方で普通の人には見えないものを透徹している。それが何なのかは実際に読んでいただくとして、だからといって彼女たちの存在がどうこうとか、そういう是非云々には全く触れていない。そういうものを超越したところで淡々と物語は語られる。
漫画でありながら音とか触感を含めた人間の五感的なものに訴えかけてくる点では「ますむらひろし」にも通じる部分があるけれども、この著者の場合はもっとアニミズムっぽいというか、感覚がさらに根源的になっている。
まあ、私自身がこういうストーリーに弱いだけなんだろうけど、それでも最後はきちんと円環の物語としてまとまっている。個人的には一番最初の「スピンドル」がお勧め。