澁澤龍彦
異端の肖像
ガイド
書誌
author | 澁澤龍彦 |
publisher | 河出文庫 |
year | 1983 |
price | 360 |
isbn | 4-309-40052-3 |
履歴
editor | 唯野 |
? | 読了 |
2013.5.10 | 公開 |
2020.2.25 | 文字化け修正 |
著者の本もまだまだ未読のものが多いのだが、気長に順々と読みたいものだと思う。この本は主に貴人の奇人に焦点を当てた本で、フィクションでなく実在の人として、こんな人がいたのだという意味では興味深いものになっている。まあ、澁澤氏の本を読んでいると、ほとんどフィクションとの区別がつかなくなるのかもしれないが...
抄録
10
-/-端的にいえば、ルドヴィヒ二世は芸術家としても贋物であり、王すなわち権力者としても贋物であった。そしてそのかわり、一つの時代の予感する狂気にすすんで身をまかせた。まさにこの点に、この王に対するわたしの関心のすべてがかかっているのである。-/-
14
-/-ツヴァイクによれば、「ニーチェの悲劇は、いわば独演のドラマである。その生涯の短い舞台には、彼自身をのぞいて、ほかにひとりの登場人物もあらわれない。」-/-
16
-/-ルドヴィヒ二世の建てた三つの城(リンダーホフ、ノイシュヴァンシュタイン、ヘレンキームゼー:唯野注)は、人間の住居ではないのである。それは幻想家のための一種の別荘としか言いようがあるまい。彼自身、ここに住んだ期間はきわめて短い。-/-