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吉田秋生
増補
ハナコ月記
ガイド
書誌
author | 吉田秋生 |
publisher | ちくま文庫 |
year | 1996 |
price | 660 |
isbn | 480-03212-6 |
履歴
editor | 唯野 |
1999 ? | 読了 |
2000.5.21 | 公開 |
2002.11.28 | 修正 |
2020.2.25 | 文字化け修正 |
吉田秋生という人はとにかく『吉祥天女』がすばらしいのでおすすめですが(例によって発掘されたら紹介したいと思います ^^;;)、他の本でも『カルフォルニア物語』や『BANANA FISH』も十分におもしろい外れの少ない人です。かくいう本書は雑誌「Hanako」に連載されたものを増補して文庫化したものです。雑誌の性格を反映してか、ネタは「オトコごころ、オンナごころ」を扱ったものが大半を占めており、生活観のある描写なんかもうまくて参ってしまいます。
おまけに、本書はその解説を書いているのが糸井重里なのですが、なかなかドキッとさせられるようなことを書いています。つまり、オンナごころなるものについて、「正解を出せないで、不正解にされてしまうことも知らずに、まじめに解答をするような「青い人」たちが『ハナコ月記』を読んでたりする」と。なるほど、確かにそうかもしれないなぁ、と自分を省みて私も思ったのでした。そう。疑問形でないことに意味があるというか、そういうこと自体が野暮になってしまうような問い、というもの。それを学ぶために本書はあるのかもしれません――などと書いてちゃ駄目ということです :-P