吉野朔実
ECCENTRICS (全4冊)
ガイド
書誌
author | 吉野朔実 |
publisher | 集英社 |
year | 1993 (1巻) |
price | 550 (1巻) |
isbn | 4-08-860320-6 (1巻) |
履歴
editor | 唯野 |
2014.03.09 | 読了 |
2014.06.27 | 公開 |
2020.2.25 | 文字化け修正 |
たぶん大昔に読んだまま本棚に収まっていたのを再読したのだが、やはり吉野朔実は天才だ ! というしかない作品である。『少年は荒野をめざす』とともに、もっと評価されてしかるべきだと思うのだが、それともこれは世間が過小評価なのではなく、私が過大評価ということなのだろうか ?
とにかく物語の展開がいい意味で私を裏切ってくれる。小説でもそうなのだが、やはり物語の先が読めてしまう、もしくは分かってしまう作品というのは確かにあって、それが悪いとはいわないけれども、個人的にはやはりそれを感じさせてくれない方がおもしろい。むろん、書名にもある通り、登場人物たちは、みんな揃ってどこか Eccentric なのはお約束。みんなが Eccentric なため、それが普通になってしまっているのはフィクションとはいえもったいない――とはいえるのかもしれない。
この魅力を伝えるのは難しい気がするのだが、面倒なので以下の1巻冒頭に出てくる1コマを見てほしい。私はこれだけでもうやられてしまった。探し物に対して椅子がかなり近いなんていう表現だけで私は降参である。