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アーシュラ・K・ル=グウィン
空飛び猫
ガイド
書誌
author | アーシュラ・K・ル=グウィン |
editor | 村上春樹(訳)/S・D・シンドラー(絵) |
publisher | 講談社文庫 |
year | 1996 |
price | 620 |
isbn | 6-263210-1 |
履歴
editor | 唯野 |
2001.7.19 | 読了 |
2001.7.21 | 公開 |
2001.7.22 | 修正 |
ル=グィンによる絵本。主人公となるのはカバーにも登場している翼を持った 4 匹の猫(セルマ、ロジャー、ジェームス、ハリエット)である。シリーズ作が全部でいくつなのかよく分からないが、現在のところ本書の続編として『帰ってきた空飛び猫』『素晴らしいアレキサンダーと空飛び猫たち』の 3 冊が同じ訳者により訳出されている。というわけで 3 冊をまとめて読んでみた。(『帰ってきた?』にはジェーンという空飛び猫、『素晴らしい?』には書名にもあるアレキサンダーが新しく登場する。空飛び猫たちの飼主となるのがハンクとスーザンという子供の兄弟である。)
村上春樹の解説によると割と作者によるメッセージ性が織り込まれた作品ということであるらしい。例えば、機械文明への批判であるとかマイノリティへの思い(言葉を失っていたジェーンがアレキサンダーによってそれを取り戻す過程など)ということである。まあ、そういった深読みは後から考えればよいことで、とりあえずは素直に楽しませてもらったという感じだった。むしろ、絵本というのを読んだのが久しぶりだったので、気楽は気楽にだが、それを意識して読んだという印象が強い。たまには、こういう本も読んでみるものだなと思った。